2014.05.18 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え | 岸見一郎、古賀史健 [書評](後編) 書評 嫌われる勇気自己啓発の源流「アドラー」の教えという本を読みました。 昨日、書評としてまとめていたのですが、一度にまとめきれなかったので、前編と後編の2回に分けての投稿。今回が2回目、後半です。 前編が「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」という内容を紹介しただけで終わり、詳細が説明出来ていませんでしたね。 今日はその続きから書いていきましょう。 アドラー心理学における、対人関係の考え方 人間の悩みが、すべて対人関係の悩みとはどういうことか? アドラー心理学では、対人関係がキモになってきます。 結論として大事なことに「共同体感覚」という言葉が出てきます。 共同体感覚とは、自己受容、他者信頼、他者貢献を持つことで実現するものなのですが… いきなり新しい言葉だらけなので、一つ一つ説明していきましょう。 自己受容 まずは自己受容という言葉から。 堅い言葉になっていますが、分かりやすく書くと「いまの自分を受け入れること」です。 これは前回の記事でピックアップした、使用の心理学ということと繋がっており、自分のいまの能力を理解し、その能力で出来ることをこなしていく、または、能力が不足しているならば、伸ばす方法を考える」といったように、いま自分が能力を持っていないことを否定するのではなく、その状況を受け入れて行動することが大事なのです。 他者信頼 続いての言葉は、他者信頼です。 他者信頼の説明部分では、信頼と信用という言葉が出てきます。 信頼とは他者を信じるにあたって、いっさいの条件をつけないこと(231ページ)です。 一方、信用とは他者を信じるにあたって、なんらかの担保に対して同等の価値があるものを与えられることとなります。 つまり他者信頼とは、見返りを求めず、相手を信じることなのです。 重ねて信頼することを怖れていたら、結局は誰とも深い関係を築くことはできない(235ページより)と書かれています。 他者貢献 最後に他者貢献という言葉。 他者貢献とは、文字通り他人に対する行動のことです。 他者貢献を行う上で大事なことが、まずは自己犠牲をしないこと。 アドラー心理学では、他者のために自分の人生を犠牲にしてしまう人のことを、「社会に過度に適応した人」であるとしています。 正しい他者貢献とは、自分にとって意味のあることであり、自分にとってマイナスではないことを行うことです。 自己受容、他者信頼、他者貢献を意識した上での、共同体感覚。 これが嫌われる勇気に書かれているアドラー心理学の最終的な内容です。 途中、この考えに至るための過程、方法などはもっと細かく書かれているのですが、詳しくは実際に嫌われる勇気を読んで確かめて頂ければということで、ここでは割愛させていただきます。 嫌われる勇気を読み終えて…まとめ 以上、嫌われる勇気を読んで、ぼくなりに内容整理する意味も込めてのまとめです。 一冊の本で「アドラー心理学」というものに非常に興味が湧きました。 仕事だけでなく、親や奥さん(旦那さん)との付き合い方、子育てまで広い範囲…それこそ、人生全てにおいて適用出来る教えがアドラー心理学だと感じます。 但し… 考え方はシンプルなのですが、根底から見つめ直すくらいのレベルになります。 本の中でもアドラー心理学をほんとうに理解して、生き方まで変わるようになるには、「それまで生きてきた年数の半分」が必要になる(243ページより)と綴られています。 ぼくは今回、ほんとうにアドラー心理学が人生において有用な教えだと感じることが出来たので、考えを改め、行動を改め…人生を改めていこうと思いました:) まだ一冊読んだだけなので、アドラー心理学に関する他の書籍なども読み進めていきたいと思います! 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え posted with ヨメレバ 岸見 一郎,古賀 史健 ダイヤモンド社 2013-12-13 Amazon Kindle 楽天ブックス