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1/48「風立ちぬ」二郎の鳥型飛行機

皆様こんにちは。とろあ( @tohroa )です。

先日、宮崎駿監督の新作「風立ちぬ」を観てきました。

“難しい”という評判が多い今回の作品。僕は特に難しいとは感じず、終始内容を楽しむことが出来たのですが…

特に難しく感じずに観られたのは、事前にテレビ番組で「堀越二郎」に関する知識を得られていたからかも?と思い、その内容を纏めておこうと思いました。ちなみにテレビ番組というのは「笑ってコラえて!ジブリ3時間SP」(2013年7月10日放送)です。

「堀越二郎」が何をした人なのか?

ジブリ映画最新作「風立ちぬ」は「堀越二郎」を主人公とした、彼が生涯で行った仕事と、その成果を物語にした内容の映画です。

映画では、仕事以外の内容もありますが、堀越氏が成し遂げたことを歴史上の事実として知ってから映画を観に行くことで、とても内容が理解しやすくなると感じました。

九試単戦と零戦の設計

まず「堀越二郎」の大きな業績は、日本軍の戦闘機「零戦」を作り上げたこと。

単機での長距離飛行と速度性能が優秀で、戦争で相手国の脅威となったそうです。

零戦は太平洋戦争初期、2200kmに達する長大な航続距離・20mm機関砲2門の重武装・優れた格闘性能を生かして米英の戦闘機に圧勝し、太平洋戦線の占領地域拡大に寄与した。
参考:零式艦上戦闘機 – Wikipedia

本人が戦闘機を作りたかったのかは知り得ませんが、三菱重工の社員として戦闘機の原案を作って軍に売ることは、会社の利益・発展のために重要なことだったのでしょう。

 

堀越氏は零戦の前に、九試単戦(九試単座戦闘機:九六式艦上戦闘機として採用された単座戦闘機の試作名称 Wikipedia)という飛行機を設計し、当時軍の性能要求を大きく上回る戦闘機を開発していました。

九試単戦の開発が後に零戦の設計にも繋がり、受注・開発設計出来たことが堀越氏の大きな成果と言えるでしょう。

一度目の失敗と会社の支援

九試単戦という当時先進的な軍用飛行機の設計を行ったことが彼の大きな成果と書きましたが、最初からうまくいった訳ではありません。

軍用飛行機開発の機会は、九試単戦を作る前にも一度ありました。

七試艦上戦闘機という戦闘機の設計が軍より発注され、堀越氏にとって初めての設計主務者としての設計が任されました。

しかし、七試艦上戦闘機の試作機は日本軍に認められず、兵器として採用されず失敗に終わってしまいました。

それでも、再び訪れた戦闘機設計の機会に堀越氏が選ばれ、九試単戦を作り上げることが出来たのは、会社の信頼と期待が大きかったに違いありません。

日本で初めて”沈頭鋲”を機体全面に採用

九試単戦では、速度向上にために新しい案が取り入れられました。

沈頭鋲というもので、あまり聞き馴染みの無いものだと思います。

飛行機の組み立てを行う際に使用する鋲(金属製の留め具)で、頭(表面)が飛び出さない形状のものであるため、空気抵抗を抑えることができるものでした。

九試単戦でこの沈頭鋲を採用し、「日本で初めて全面的に沈頭鋲を採用した機体(九試単座戦闘機 – Wikipedia)」とされています。

こうした革新的なアイデアの採用により、九試単戦は大きく性能を向上させ、軍に認められて兵器採用されることになったのではないでしょうか。

映画の内容は”大人向け”かも

以上が僕が映画を観に行く前にテレビで得ていた情報で、これらの情報を知っていたことで映画を楽しむこともでき、特に難しく感じることもありませんでした。

映画では、少しファンタジーな部分もありますが、ストーリーは堀辰雄氏の同名小説「風立ちぬ」を参考に作成されているそうです。

こちらの小説の内容は存じませんでしたし、映画を見たあとも読んでいないのでなんとも言えませんが、信頼・友情・愛情・夢などの様々な感情が刺激される面白い作品だったと感じています。

 

ただ一つ感じたことは、上記で書いたことを理解して見に行ったとしても、決して理解しやすい映画では無いと感じます。

「小さい子供が楽しめる内容か?」と問われると NO と言わざるを得ないでしょう。

逆に「崖の上のポニョ」を見た時には、とても分かりやすい映画で子どもが観ても感覚的に楽しめる作品だと感じたので、今回は全く逆の印象となりました。

万人受けする作品かは難しいところはありますが、僕はもう一度観てみたいと思える作品だったと感じています。

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